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地下水熱利用ヒートポンプシステム
映寿会みらい病院 さま
150床を有する石川県金沢市の総合病院。「人が心身ともに健康で楽しく生きがいをもって自宅で長生きできる手助けをする」を理念とし、東洋医学と西洋医学を結集した医療を実施している。
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地下水熱利用ヒートポンプシステムは、地下水を熱源として利用したヒートポンプシステムであり空調・給湯・融雪などの幅広い分野への応用が期待されている。
熱源となる地下水は、年間を通して温度がほぼ一定であるため、外気温度に左右されずに安定した出力が得られる。また、地下水温度は外気温度より夏は低く、冬は高いため、冷房または暖房を行う際には外気を用いる空冷式よりも有利となる(右図参照)。
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地下水温度と外気温度
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地下水利用時の留意点
地下水の利用については、地盤沈下や渇水が問題となり取水制限する自治体もある。また、地域・地形によって地下水を十分確保できないケースや、季節によって井戸が渇水になるような地域もある。さらに、地下水の水質によっては、装置や配管などの腐食が問題となるため、地下水の利用には十分な調査が必要となる。
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留意事項
- 条例等の規制の確認(利用区域の都道府県及び市町村毎に規制の確認が必要)
- 水質の確認(目安として水冷チラーの補給水程度の水質確保が必要)
- 所要水量の確認(所要水量を確保できるか確認が必要)
- 掘削費用の確認(地層や水源深さによって差がある。十分な調査が必要)
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以下は病院の空冷チラー+ボイラーを地下水熱利用ヒートポンプシステムに改修したシステムフローである。冷房時は、チラーで冷房した排熱で給湯を行う冷温水同時取り出しが可能で、余った排熱は井戸水へ放熱する。暖房時は、地下水の熱源で冷房と給湯を賄う。 |
冷房時
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暖房時
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今回導入した冷暖房・給湯システムは、夏季の冷房の排熱で給湯を行う冷温水同時取り出しが可能である。また、冬季は暖房と給湯の両方で温熱が必要となり、冬季の方が地下水の熱を多く利用する。そのため、冬季に空調・給湯負荷の大きな地域(北海道や東北など)ほど地下水熱利用のメリットが大きく導入となった。
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更新前の設備
- 空冷チラー(冷房)→撤去
- ボイラー(暖房・給湯)→撤去
- 貯湯槽 6t→使用継続
- 水蓄熱槽 200m3→使用継続
新設された設備
- 地下水熱利用ヒートポンプ:75馬力相当
- 貯湯槽 16t (SUS製)
- 熱源水槽:12t (SUS製)
- 注水井戸:200Φ
- 還元井戸:300Φ
- 井水ポンプ:3.7kW
- 熱源水ポンプ:0.75kW×2台
- 冷温水一次ポンプ:3.7kW
- 貯湯槽昇温ポンプ:0.75kW
- 貯湯槽昇温ポンプ:1.5kW
- 給湯加圧ポンプ:1.5kW
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水熱源ヒートポンプチラー
貯湯槽
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- 気候の影響を受けず、熱源水温度が安定
- 高効率運転可能
- 冷房時空冷式の約1.8倍,暖房時約1.2倍
- 冷房時水冷式の約1.4倍
- 除霜運転(デフロスト運転)がない
- 設置スペースが小さい
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施設の総エネルギー使用量(実績値)
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改修後は、暖房や給湯も電力で賄うようになり電力使用量は増加したが、A重油を使用しなくなったため、最終的には大幅なエネルギー使用量の削減に繋がった。 |
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映寿会みらい病院
石川県金沢市鞍月東1-9
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北陸電力株式会社 営業推進部
TEL:076-441-2511
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