日本エレクトロヒートセンター

 

 

 

 

 

産業用電気加熱への応用

赤外・遠赤外加熱は放射による直接加熱であるため、被加熱物の表面温度や雰囲気温度に影響されることなく加熱量をコントロールすることができる特長があります。また、熱風加熱のように熱流を伴わない為、ダスト対策が容易であり、よりクリーンな加熱に適した加熱方式です。
赤外・遠赤外加熱の利用は、放射される赤外線波長と被加熱物の吸収波長を一致させることが効率的ですが、短時間での加熱が要求される場合はより放射エネルギーの大きい近赤外線を使う場合が適している場合もあり、被加熱物の要求仕様(材質、温度、スピード、形状、均一性など)と加熱ヒータの特性(波長、出力密度、即応性、放射形状など)を勘案して選択することが重要です。

 

a.遠赤外加熱

多くの物質は遠赤外線波長とほぼ合致する吸収波長(2.5〜30μm)を有しているため、放射波長と吸収波長をマッチングすることにより効率的な加熱が可能となります。

 

b.近赤外・中赤外加熱

赤外線放射は波長が短い程、放射エネルギー密度が大きくなるため、高エネルギー密度(最大1200kW/m2)を利用して、高速加熱や大量加熱に利用されます。

 

c.選択加熱

被加熱物の吸収波長の違いを利用して、加熱したいものと加熱したくないものが混在する場合に選択加熱として利用されます。

 

 主な適用事例
a.自動車ボディの塗装乾燥<図1>

自動車ボディの全体塗装乾燥や部分塗装乾燥に効率の良い遠赤外加熱が使われています。
熱風方式と比べ乾燥時間が1/3に短縮され、さらに、部分乾燥の場合は、パネルヒータを切り替えることにより乾燥する部分のみ加熱できるため、無駄のない乾燥が可能となります。

<図1>自動車ボディの塗装乾燥
出典:遠赤外線加熱(JEHC)

 

 b.プラスチックシートの加工<図2>

プラスチック容器を真空成形する際に、シートを予熱して軟化する工程に赤外線が利用されています。この工程には短時間で精密な温度制御が必要ですが、遠赤外線加熱の利用により、生産時間・コストとも低減できます。

 

 

<図2>プラスチックシートの加工
出典:遠赤外線加熱(JEHC)

 

c.シリコンウェーハの洗浄液加熱<図3>

シリコンウェーハの洗浄に用いられる薬液や純水の加熱に近赤外線の選択加熱が利用されています。石英管内を流れる液体に3μm以下の波長の近赤外線を放射すると、吸収特性の違いから、石英管はほとんど透過し、内部の液体のみ直接加熱することが可能となります。

<図3>シリコンウェーハの洗浄液加熱
出典:ウシオ電機技報

 

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