エレクトロヒートNo.190

 

  【巻頭言】
  進化し続けることの大切さ
 
 

河本 浩一 

一般社団法人日本エレクトロヒートセンター 理事
北陸電力株式会社 執行役員 営業本部副本部長 営業推進部長

 
   

 

 

【特集】熱回収型エレクトロヒートシステム   

 
  廃水処理設備における熱回収型ヒートポンプ導入による省エネルギー
 
 

阿部  渡

カルビー株式会社

新宇都宮工場 保全課

 

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北海道バイオエタノール株式会社における

蒸気発生ヒートポンプ導入事例

 
 

吉田 宝生

北海道バイオエタノール株式会社 

十勝清水工場 工場長

 

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  部品の洗浄乾燥工程におけるヒートポンプシステムの活用
 
 

畠  智宏 アイシン精機株式会社 半田電子工場 製造部

山本 佳道 アイシン精機株式会社 PE・環境推進部 

 

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  大規模給湯設備へのヒートポンプの適用
 
 

久井 昌明

日本たばこ産業株式会社

東海工場 技術部 主任技師

 

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  醤油醸造への冷温同時取出ヒートポンプ導入事例
 
 

佐伯 好彦

四国電力株式会社

高松支店 営業部営業提案センター 技術ソリューション課

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  ヒートポンプ導入で省エネ50%OFFの新型真空洗浄機
 
 

平本  昇

株式会社 IHI機械システム

真空新素材炉事業部 技監

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【連載講座】

        電気加熱技術の基礎(第2回目)

 
   抵抗加熱の基礎と応用事例
 
 

中野  守

一般社団法人日本エレクトロヒートセンター

抵抗加熱技術部 部会長
株式会社 リケン環境システム

熱エンジニアリング事業部 営業技術部長

 

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           熱回収技術とヒートポンプ  (第2回目)
 
   熱交換器の基礎と熱回収~プレート式熱交換器~
 
 

楠  健司

株式会社 日阪製作所

熱交換器事業本部 設計開発部 設計開発課 課長代理

 

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   ヒートポンプ給湯Q&A
 
 

杉村 允生

株式会社Q研技術士事務所 

代表取締役 

 

 

 

 
 

病院・福祉施設におけるクックチル導入の意義と成功の鍵

 
 

宮野鼻 治彦

株式会社 生活デザイン研究所

代表取締役

 

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HATAKE CAFÉ

 
 

宇田 裕一

タニコー株式会社

本社営業設計課 係長

 

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   【特別寄稿】
 
  食品工場向けハイブリッド脱臭装置「デオマイスター」の開発
 
 

竹内 章浩

中部電力株式会社

技術開発本部 エネルギー応用研究所 都市・産業技術グループ 

産業エネルギーチーム 研究副主査 工学博士

 

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   【寄稿】
 
  -物の見方、考え方- 経営に生かす仏教哲学
 
 

青木 伸雄

 

 

 

 

 (以下概要)

 

   
 
  廃水処理設備における熱回収型ヒートポンプ導入による省エネルギー
 
 

阿部  渡

カルビー株式会社

新宇都宮工場 保全課

 

  従来、当事業所の廃水処理設備は、廃水に含まれる有機物を嫌気処理によりバクテリアで効率的に分解させるため、工場廃水をボイラーの蒸気によって一定の温度まで加温した後、未利用の熱(未利用エネルギー)を有したまま放流していた。本省エネルギー事例は、食品工場として全国で初めて嫌気性廃水処理設備に熱回収型ヒートポンプを導入。これまで捨てられていた熱をヒートポンプで回収しながら温水を製造、蒸気に代って工場廃水を加温することで、都市ガスボイラーから供給される蒸気を削減、同時に蒸気配管の放熱等も削減できたことから、176kL/年(排水処理設備:43%、事業所全体:2.0%)のエネルギー削減を達成した。
 

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北海道バイオエタノール株式会社における

蒸気発生ヒートポンプ導入事例

 
 

吉田 宝生

北海道バイオエタノール株式会社 

十勝清水工場 工場長

 

  北海道上川郡清水町に建設された、北海道バイオエタノール(株)十勝清水工場では、バイオマス資源の利活用を目的として、燃料用バイオエタノールの製造が行なわれている。平成24年3月まで実施された実証事業では、技術・利用体系の構築など一定の成果が得られたが、事業化に向けた課題も明確になった。これらの課題を克服するため平成24年度より新たな取り組みを進めており、その取り組みの一つとして、製造工程で排出される温室効果ガスの削減を目的した蒸気発生ヒートポンプの導入が実施されたことから、本事例について紹介する。
 

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  部品の洗浄乾燥工程におけるヒートポンプシステムの活用
 
 

畠  智宏 アイシン精機株式会社 半田電子工場 製造部

山本 佳道 アイシン精機株式会社 PE・環境推進部 

 

  CO2排出量の削減を目的に、部品の洗浄乾燥工程へヒートポンプシステムを導入した。ここではその検討内容と導入効果について紹介する。本システムでは、空気熱源の循環加温ヒートポンプを用いて洗浄液を加温し、その際に発生する排冷風を、乾燥後の冷却工程に活用している。洗浄液の加温は、ヒートポンプに洗浄液を直接取り込む直接加温とすることで効率の向上を図り、また、冷排風も直接冷却工程に送風できるようシステムを工夫した。これにより従来の蒸気式と比較して、CO2排出量:▲68%(排冷風利用時)の削減効果が期待できる。
 

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  大規模給湯設備へのヒートポンプの適用
 
 

久井 昌明

日本たばこ産業株式会社

東海工場 技術部 主任技師

 

  近年の地球温暖化防止の技術のひとつにヒートポンプがあり、そのなかのエコキュートという給湯用ヒートポンプは、現在、家庭・事業所に普及しつつある。ただ、新規に給湯設備を設けるには比較的導入はしやすいが、既存設備を使っている中で、省エネ性と採算性を両立させての給湯用ヒートポンプ導入には障害が多い。障害となる事象は、給湯の需要特性、設置場所、既設給湯の状態など様々である。このため、既存設備と給湯用ヒートポンプの双方の特性を十分に把握したうえで、その現場にマッチングさせる工夫が必要である。これには、メーカーカタログ(設備単体能力)だけに頼るのではなく、エネルギー管理の基本原理を踏まえて考えることが重要である。また、採算性評価も、キャッシュフローを使った正味現在価値で判断することも有効である。今回の提案は、既存の大型給湯設備に給湯用ヒートポンプを導入するための一つの解決策を示している。
 

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  醤油醸造への冷温同時取出ヒートポンプ導入事例
 
 

佐伯 好彦

四国電力株式会社

高松支店 営業部営業提案センター 技術ソリューション課

 

  醤油醸造では、主発酵工程で約半年間をかけて加熱と冷却を繰り返し熟成を促す。加熱の温度帯は40℃と低温のため、従来は水冷チラーの冷却水を使用し一部加熱を担っていた。しかし、季節による負荷変動によりバランスが合わないため現在は利用していない。そこで、空冷運転の可能な冷温同時取出ヒートポンプの導入を提案した。バランスの取れた冷温同時供給を可能にし、ボイラの配管ロス等が減少することによって大幅な省エネ・省コストを実現できた。今回は、その事例を紹介する。
 

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  ヒートポンプ導入で省エネ50%OFFの新型真空洗浄機
 
 

平本  昇

株式会社 IHI機械システム

真空新素材炉事業部 技監

 

  地球温暖化防止のためにフロンやトリエタンなどの有機溶剤が使用できなくなり、石油系溶剤を使用する真空洗浄機が環境にやさしい製品として日本を中心に先進国で普及した。この真空洗浄機は、洗浄力を高めるためにきれいなシャワー洗浄液を大量に使用するが、一度持ち込み油で汚れた洗浄液を蒸留再生して純度の高いシャワー洗浄液に分離するために約 36 kWのエネルギーを消費する。エヴァクライオはヒートポンプ(HP)熱回収システムでシャワー洗浄液再生のエネルギーをほぼ100%再利用し、圧縮機などのわずか約 9 kWで従来の約 36 kWに匹敵するシャワー洗浄液再生を可能にした。削減率は75% OFFの驚異的改善となり、また洗浄機全体の電力消費量でみても50%OFFの大きい削減となった。
 

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抵抗加熱の基礎と応用事例

 
 

中野  守

一般社団法人日本エレクトロヒートセンター

抵抗加熱技術部 部会長
株式会社 リケン環境システム

熱エンジニアリング事業部 営業技術部長

 

 

 火に始まる人類の熱利用の歴史は産業革命の時代に劇的に変化し、今日の豊かな社会を築く礎となった。特に電気エネルギーを効率的に活用した加熱であるエレクトロヒートは、燃焼式では不可能な高温への対応や、省エネルギー、品質の向上、生産性の向上など、これからの生産現場に要求される魅力的な可能性を秘めている。これらエレクトロヒートの基礎理論から事例までを加熱方式別に全6回シリーズで解説する。

 

 

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  熱交換器の基礎と熱回収~プレート式熱交換器~
 
 

楠  健司 

株式会社 日阪製作所

熱交換器事業本部 設計開発部 設計開発課 課長代理

 

   ヒートポンプは空気や水を熱源として高い効率で冷熱・温熱を供給できる優れたシステムであり、既に民生用の分野ではエアコン、エコキュート等、省エネ生活に不可欠な製品となってきている。一方産業分野では、熱源機本体はもとより周辺機器の選定が重要で、十分なエンジニアリングが求められる。本稿では熱交換器に着目してヒートポンプの熱回収技術について全6 回シリーズで解説する。
 

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  病院・福祉施設におけるクックチル導入の意義と成功の鍵
 
 

宮野鼻 治彦

株式会社 生活デザイン研究所

代表取締役

 

   ここ数年、クックチルをはじめとする新調理システムを導入される病院や福祉施設が急増している。しかしながら「想定した成果が得られない」との声を耳にすることも少なくなく、その主な要因が、準備段階でクリアしておくべき課題への認識と対応の不十分さにあると指摘されている。そこで、確かな成果を導いていただくための参考資料として、クックチル・ニュークックチルの基本概念、導入メリットなどの情報と、成功に不可欠な要件を全5 回シリーズで紹介する。
 

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   HATAKE CAFÉ
 
 

宇田 裕一

タニコー株式会社

本社営業設計課 係長

 

   家庭用でIH クッキングヒーターの普及が進むなか、業務用でも電化厨房に注目が集まってきている。病院、福祉施設、給食センター、飲食店…厨房環境の改善やコントロールの容易さなど、より良い厨房を目指した取り組みが進んでいる。これら電化厨房の事例をシリーズで紹介していく。今回は「飲食店」の事例を取り上げる。
 

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  食品工場向けハイブリッド脱臭装置「デオマイスター」の開発 
 
 

竹内 章浩

中部電力株式会社

技術開発本部 エネルギー応用研究所 都市・産業技術グループ 

産業エネルギーチーム 研究副主査 工学博士

 

  「脱臭」は、今後の環境規制強化や、地域共生の観点から、工場や福祉・医療施設等において重要なテーマであり、高性能な脱臭装置へのニーズが多くある。一般的に、脱臭は燃焼などにより行われているが、新たな脱臭技術として、近年、「チタニア光触媒脱臭技術」と、「ゼオライトハニカム脱臭技術」が開発されている。当社は、これら二つの技術を融合したハイブリッド脱臭装置「デオマイスター」を開発した。開発した装置は臭気をゼオライトハニカムに吸着し、少しずつ臭気を光触媒へ送り、分解・無害化するものである。光触媒を用いるためエネルギー消費量が少なく、ゼオライトハニカムとの融合により、高濃度の臭気ガスの処理が可能である。臭気の平準化を行うため、時間帯により臭気濃度の差が大きくなる工場に最適であることから、昼夜で工場の稼働状況が異なる食品製造分野のお客さまを中心に、環境性向上ニーズに応えていきたいと考えている。
 

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