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日本電子工業株式会社 名古屋工場・名古屋第二工場さま
1957年に世界的な電子顕微鏡メーカー「日本電子株式会社」を母体に創業した日本電子工業株式会社は、メーカーに熱処理用機器を供給するだけでなく、自らも加工部門を持ち、自動車用の部品など様々な熱処理を行っている。
このうち、名古屋工場では高周波焼入を、そして名古屋第二工場では高周波焼入とイオン窒化、さらにPVD, DLCコーティングなどを扱う。
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エンジンやトランスミッションといった自動車部品は、高い精度とともに耐摩耗性や耐久性が求められている。これらの要求をクリアするため、高周波誘導加熱を使った「高周波焼入」やプラズマを応用した表面硬化法「イオン窒化処理」などの熱処理を行っている。 |
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■高周波焼入
変形の低減、耐久性の向上 部品全体の加熱ではなく、表面の局部加熱が可能なため、部品の歪みを最小限に抑えることができ、高い精度を持った疲労破壊に強い製品製造が可能。
省エネ化 局部加熱が可能なことや、短時間の加熱・急速冷却が可能なことから省エネ化が実現。
品質の安定化 ガス焼入と比較して温度管理が安定しており、均一で良質な焼入が可能。
■イオン窒化
耐摩耗性に強い 真空中での処理のため無酸化で硬化でき、耐摩耗性に優れた製品を製造可能。
作業環境の改善 化学反応作用ではなくイオン化された窒素ガスによる窒化処理のため、臭いが少ないクリーンな環境下での作業が可能。
工程時間短縮 イオン化したガスのスパッタリング作用を利用するため、従来の窒化処理に比べ処理 時間を短縮できる。また設備の停止、稼動が容易に行える。
省エネ化 真空中のグロー放電による直接加熱のため、均一な温度分布が得られる。加熱効率はヒーター加熱方式に比べ2倍以上。さらにガス使用量が少ないため、ランニングコストの低減化が可能。
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「高周波焼入」による熱処理で高品質な精密部品づくり |
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全自動高周波焼入装置 |
自動高周波焼入機 |
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日本電子株式会社の高周波焼入課を前身とする日本電子工業株式会社。創業の技術である「高周波焼入」(詳細へ)は現在も同社の売上で高い割合を占める。
「高周波焼入の利点はいくつかありますが、焼入が必要な部分だけを急速加熱・冷却することができるため、疲労破壊に強い精密部品を作れる点が挙げられます」名古屋工場 工場長 彦野氏
つまり、焼入を施した部分以外は加工されず柔らかいままであるため、歪みが少ないだけでなく部品全体として「粘り」が出るというのだ。
名古屋工場ではこの利点を活かし、自動車用のギアやミッションなどに使用される耐久性が必要な精密部品の加工を行っている。
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「イオン窒化」による熱処理加工は、国内初 |
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「イオン窒化法(詳細へ)にいち早く着目した弊社は、独自の研究開発を行い、1973年、国内で最初にイオン窒化(イオンプラズマ窒化)装置を使用した加工および装置の販売をはじめました」名古屋第二工場 工場長 吉田氏
イオン窒化は、加工部分の深さは浅いが硬くなるのが特徴だ。さらに、後加工を必要とせず、仕上り品の処理に最適である。
それまでの化学反応作用による窒化処理と異なり、クリーンな環境で臭いが少なく、内部温度が580℃あっても設備表面温度は手で触れる程度で工場内が高温にならないなど、作業環境が大幅に改善される。もちろん、処理時間の短縮や省エネなどの面でも優れた技術となっている。
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イオン窒化装置
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自動車用駆動系ギヤの量産処理 |
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熱処理技術の使い分けで多様なニーズに対応 |
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この他にもプラズマ浸炭やDLCコーティング, セラミックコーティングなど、独自の技術を含めた様々な熱処理技術を持つ。「手数を持つことで多様なニーズに対応できる」と生産技術部長の玉本氏は語る。
例えば歪みの少なさを要求される部品には高周波焼入を、耐摩耗性が必要な部品にはイオン窒化というように、ニーズに応じて熱処理技術を使い分けている。
現在は、既存技術の組合せで製品に新しい付加価値を付けることに取り組んでいる。
「電気を使った熱処理には、まだまだ可能性があると思います。均一で良質な品質づくりなど、電気熱処理技術の特性を生かした製品の高付加価値化を追求していきます」生産技術部長 玉本氏
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高周波焼入 |
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高周波電流による電磁誘導現象によって瞬時に加熱を行う。部品の一部を短時間での焼入が可能であるため、変形が少なく、エネルギー消費も少ない。
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イオン窒化
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窒化とは鉄鋼製品を加熱し、その表面から窒素原子を製品内部に拡散浸透させる表面硬化法で、イオン窒化とは窒素を電界中でイオン化させ製品内部に侵入させるもの。
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