抵抗加熱の特徴
抵抗加熱は、原理的に極めてシンプルな装置で使いやすく、しかもクリーンで、加熱効率が高いために、燃焼加熱方式とは異なる特徴があります。
クリーンな熱源である
極端にゴミ、チリを嫌う半導体、電子部品の熱処理には欠かせない装置です。歩留りが大幅に向上し、ガス、油などの燃料を燃焼させる燃焼加熱方式と異なり、燃焼時に発生する騒音、排ガス、油汚れがないので、正常な環境が維持でき、3K対策には欠かせません。
熱効率が高い
燃焼加熱のように燃焼による排ガスがなく、炉が燃焼炉に比べコンパクトにできるため、外部への熱損失が少なく、急速加熱が可能です。高い熱効率が得られます。
高精度の温度管理ができる
制御機構は電子方式で構成されていますので、極めて高精度の温度管理が可能です。また、燃焼ガスなどの流れがないため、炉内の温度分布が良好です。
温度利用範囲が幅広くとれる
抵抗発熱体の種類が、金属発熱体、非金属発熱体と種類が多く、これを選定使用することにより、低中温度から3000℃の超高温度まで広範囲な熱源として使用することができます。
エネルギー管理が容易である
加熱に要するエネルギーを直接電力量として計測することができるので、電力計、電圧計、などにより測定管理が容易です。
自動化、夜間電力の使用でランニングコストの大幅な低減ができる
制御機構に電子方式を使用しているので、無人自動化が容易なことから、生産を夜間電力帯にシフトすることができ、コストは大幅に低減します。
被加熱物の材質、形状が無制限である
間接加熱方式の場合、被加熱物を間接的に加熱し、また炉の形式も種々の被加熱物の加熱に適した形状にすることができるため、どんな形状、材質の物でも加熱が可能です。
安全性が高い
制御が容易で、保護安全回路などにより安全性を確保し易いうえ、ガスの発生を伴わないのでガスの燃焼、爆発などの危険性がなく、安全に使用できます。
雰囲気制御が容易である
燃焼方式と異なり炉内雰囲気に制約がないので、高温加熱中の雰囲気を空気ばかりでなく、各種ガス雰囲気または真空雰囲気にも容易にできます。
炉の起動、停止時間が短い
炉の起動・停止操作はスイッチひとつで行われるため、作業時間の短縮、または生産性の向上が図れます。