産業用電気加熱への応用
産業用ヒートポンプは空気、排気、排温水、河川水、地中熱など、様々な熱源を利用することができます。また、用途についても冷熱利用(冷凍、冷房、除湿、プロセス冷却など)や加熱利用(暖房、給湯、加熱、乾燥など)で、様々な温度帯で使用できますが、ここでは普及が期待される生産プロセスの加熱利用を中心に紹介します。
a.排熱回収利用 生産工程で排出される排温水や排気、コンプレッサやチラーの冷却後の冷却水など、普段捨てている低温排熱を回収して、再度高温に変換したのち、加熱に利用する形態です。
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b.冷温同時利用
食品工場など工場内で冷熱と温熱を両方同時に利用している |
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c.空気熱源利用
空気熱源ヒートポンプの場合、熱源の制約がなく、設置場所の自由度が大きいため、加温槽の隣など、加熱場所と近接した利用が可能です。 また、屋内に設置した場合はヒートポンプから発生する冷風で快適性も向上します。 |
主な適用事例
a.コンプレッサーの排熱回収利用<図1> |
従来冷却塔で捨てていたコンプレッサーの冷却水に含まれる低温排熱を回収し洗浄工程の加温(約60℃)に利用できます。ボイラーでの加温と比較して、約4割ものコストを削減可能です。 |
<図1>コンプレッサーの排熱回収利用 |
b.水熱源エコキュートによる冷温同時利用<図2> |
従来はボイラーで温水を、チラーで冷水を製造していましたが、水熱源エコキュートの導入により、温水と冷水を同時に製造することが可能となり、従来比7割以上の一次エネルギーを削減できます。 |
<図2>水熱源エコキュートによる冷温同時利用 |
C.空気熱源HPによる薬液槽加温<図3> |
金属部品の表面処理工程の薬液槽加温(50℃〜55℃)に空気熱源ヒートポンプを採用。蒸気加温時に比較して約3割のコスト削減が可能です。 |
<図3>空気熱源HPによる薬液槽加温 ヤマハ発動機殿 袋井南工場 |